メゾチント ・ブログ

メゾチント作家、小池結衣の作品の紹介です。画像の無断転載・使用はしないでください。

カラーメゾチントについて

メゾチントはイタリア語で、「ハーフトーン」を意味するようです。線で描くことの多い他の銅版画の技法とはちがい、微妙で美しいグラデーションを描けるのが特徴です。フランス語のマニエール・ノワールスペイン語のマネラ・ネグラはいずれも「黒の技法」を意味します。印象的な深い黒を表す命名でしょう。
その黒の美しい諧調を生かすために黒一色で摺られる事が多いですが、銅版画のインクは油絵の具や水彩など他の画材と同じように豊富な色数のインクが市販されており、インクの混合も容易なので、もちろんどんな色で摺ることも可能です。
4版によるカラーメゾチントは、ひとつの作品のために、CMYB(シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック)のインクそれぞれのための4つの版を作り、一色ずつインクを載せて4度プレス機を通します。メゾチントは細かい点の集積による表現ですので、印刷と同じように理論上全ての色が表現できるわけです。
そのほか、ひとつの版に複数の色のインクを載せて摺る、1版多色のメゾチントの技法もあります。